もんじゅ君のエネルギーさんぽ)太陽光でボ

燃料取り出し、はじまるけれど こんにちは. もんじゅ君です. ふくいち君ではいよいよ4号機のプールから使用済み核燃料の取り出しがはじまるみたい. 前進は前進だけれども、原子力規制委員会の田中委員長さんは「潜在的には非常に大きなリスクを持っている. 汚染水以上に心配なところがある」と、東電の社長さんに釘を刺しているの. 使用済み核燃料は高い線量を発するし、ウランだけではなく、毒性の高いプルトニウムもふくんでいるんだ. 取り出しや運搬のとちゅうに落っことしたりするととても危険なんだよ. どうかトラブルがないように、と思います. ■IAEAは「事故の影響つづいている」 いま、IAEA(国際原子力機関)の事務局長さんはたまたま日本の人なのね. その天野さんが11月5日の国連総会で、ふくいち君の汚染水おもらしについて「事故の影響がつづいていることをはっきりと思い出させるものだ」と報告したよ. IAEAというのは基本的には原子力の開発をすすめていくための組織なの. その事務局長さんがそんなふうにいうってことは、やっぱりどうひいき目に見ても、事故はひきつづき進行中なんだね. ■日照の多い和歌山県 さて、今週は和歌山県のおはなし. 和歌山県といえばミカンや梅がとっても有名. 豊富な日照量と温暖な気候のおかげで、おいしい果物がとれるんだ. そんなふうにおひさまのめぐみがゆたかな土地だけれど、これまではあまり再生可能エネルギーの利用はすすんでいなかったの. それがここにきて、県内であちこちにメガソーラーがつくられているんだよ. ■関西最大級のメガソーラーがぞくぞく ミカンの一大産地として知られる有田市では、45万平方メートルもある遊休地をいかして、ソーラー発電所がつくられているんだ. 2014年度に運転がはじまる予定で、30メガワット、ふつうのおうち9千軒ぶんもの発電能力があるんだよ. それよりすこし北にいった和歌山市では、関西空港をつくるときにうめたて用の土砂を採った跡地が生まれかわるの. こちらはおうち6千軒ぶんの電力をまかなう20メガワットのメガソーラーになる予定で、2016年春に供給開始がみこまれているよ. このふたつの発電所は、どちらも関西最大級の規模なんだ. 使いみちのない広い土地を有効活用できるというのは、太陽光発電のよさのひとつだね. ■売電利益でボランティアを応援 そしてとりわけおもしろいしくみではじまったのが、日高郡印南(いなみ)町で11月5日に竣工(しゅんこう)した、1.8メガワットの太陽光発電所. こちらは町有地であるうめたて地、県の畜産試験場跡地、そしてなんと、遠くはなれた京都・深草龍谷大学の屋上の3カ所をあわせて、ひとつの「龍谷ソーラーパーク」と呼んでいるんだ. 全部でおよそ7500枚の太陽光パネルを設置していて、これで印南町の約2割、600世帯分の電力をまかなうことができるんだよ. 規模の面では最初にご紹介した2カ所よりずっとちいさいけれど、今後20年間でみこまれる5億円の売電利益のすべてが市民活動や地域のボランティアの資金にあてられるという、ユニークな発想の発電所なんだ. TOM シューズ ■町・大学・企業がいっしょにつくった このメガソーラーは、印南町、それから京都の龍谷大学、そしておなじく京都の京セラソーラーコーポレーションという企業の三者がいっしょに考えてつくったものなの. 建設に必要だった資金は7億円. そのうちの半分を龍谷大学が「社会的責任投資」として出資しているんだ. 自然エネルギーの普及をうながすとともに、それから得られる利益も社会に還元していくという意味で、大学だからこそできる、あたらしいタイプの社会貢献なんだね.