猪瀬氏側、仲介者に500万円 徳洲会5千

安倍政権は、外交・安全保障政策の司令塔となる国家安全保障会議(日本版NSC)の事務局となる国家安全保障局の初代局長に、元外務次官の谷内正太郎(やちしょうたろう)・内閣官房参与(69)をあてる調整に入った. 安倍晋三首相の外交ブレーンとして信頼が厚く、首相側が就任を打診した. ただ、谷内氏は民間企業や大学で役職に就いているなどとして現時点で就任に難色を示しており、政権はNSC設置法が成立したら谷内氏が受諾するかどうかを見極めて最終判断する. 東京都知事選の直前に医療法人「徳洲会」グループから5千万円を受け取っていた猪瀬直樹・前都知事(67)側が、当選直後の2012年12月下旬、新右翼団体「一水会」の木村三浩代表(57)に500万円を渡していたことが関係者の話で分かった. 5千万円の一部である疑いがあり、猪瀬氏と徳洲会の仲介役だった木村氏への「当選の謝礼」とみられる. 関係者によると、猪瀬氏の妻が、12年12月16日の知事選で当選が決まった後の同月下旬、当選の謝礼などとして木村氏に500万円を渡したという. 5千万円を預けていたとされる銀行の貸金庫には同月18日の利用記録が残っており、ここから500万円を持ち出した可能性がある. 木村氏はすぐに大半を使ったという. 妻は13年7月に亡くなっている. 朝日新聞の取材に対し、木村氏は500万円の受領を認め、「猪瀬さんの奥さんが『当選の謝礼』と言ってきた. 『謝礼はいらないが、ちょっと貸して下さい』と言って借りた. 借用証はない」と話した.